~ 失業、うつ病、独身、現実は厳しい。でも、生きよう ~
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侵略戦争国家イスラエルに招かれた記念講演で、イスラエルによるパレスチナ人への侵略・虐殺を批判するスピーチを行った村上春樹氏の勇気。

猫宮しろいち
2009/02/16
侵略戦争国家イスラエルを批判した村上春樹氏の勇気に感動!
http://nekomiyashiroichi.blog59.fc2.com/blog-entry-97.html




その村上春樹氏に敬意を表して、
村上春樹氏が翻訳した『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
(原題 "The Catcher in the Rye" J・D・サリンジャー著 1951年)
を、再び読み返しました。

新たに感動しました!





野崎孝氏の訳の『ライ麦畑でつかまえて』も、以前、読んでいましたが、やっぱり、断然村上春樹氏の訳のほうが、私の心に響きます。
うまく説明できませんが、主人公の言動が瑞々しく感じるのです。





以下、村上春樹氏が翻訳した『キャッチャー・イン・ザ・ライ』に感想文のようなものです。



この本は、読むたびに、私を、ひどく動揺させます。



大人たちの偽善や、同級生のマヌケぶりを破れかぶれに、罵倒しまくる16歳のホールデンの姿は、ロックに夢中になるような10代の少年少女を惹きつけてやまない魅力をもっていると思います。
(かつての私。そして、今の私も。)
しかし一方で、今の私は、この本に夢中になる自分を、ちょっと恥ずかしいことだと考えてしまいます。
それは、この本が、良くも悪くも、思春期的な潔癖性の象徴になっているからだと思います。
ホールデンのような生き方を現実世界は許さない。
今、同じような言動をすれば、袋叩きに遭い、会社からも、社会からも、追い出されてしまうだけ。

生きていくのは、大変なことだ。
私は、いつも、そうつぶやきながら、いつしか、大人の歳になっていました。

ホールデンは、なんとカッコよくて、頭がよくて、無責任な少年なのだろう!
ホールデンが嫌うのは、ウソ臭さ。
相手によって態度を変える校長先生や、つまらないピアノ演奏に、わざとらしい拍手を送る観客たち。
彼らの無自覚な俗物性
(それが「大人」であることの条件なのだろうか!)
に向けられたホールデンの罵声は、痛快であり、何一つ間違ってはいない!

一番印象に残った場面は、ホールデンの将来を案じたアントリーニ先生が、彼にメッセージを託す場面です。
「未成熟なるもののしるしとは、大義のために高貴なる死を求めることだ。
その一方で、
成熟したもののしるしとは、大義のために卑しく生きることを求めることだ。」
それを受け取ったホールデンは、先生に感謝しつつも、
「どどっと疲れが出て来ちゃった。」
と、ため息をつく。

ここで重要なのは、アントリーニ先生が示唆する「成熟」の意味を、ホールデンは頭では理解しているということです。
しかし、ホールデンは「疲れて」しまうのです。
これは、ホールデンは、ただ単に未成熟な人間なのではなく、未成熟のまま、生きることを意識的に選択しつつある人間だから、ということだと思います。

ホールデンは、そんな生き方を選ぶことで、とても辛い思いをし続けるけれど、ウソの無い、無垢な真実を口にする自由を手に入れることができるのだと思います。

それは、成熟への道を放棄すること。
しかし、それでもいいではないでしょうか。

私は、ホールデンにはなれません。
しかし、ホールデンのことは、いつも頭の片隅に置いておきたいと思います。

私が、未成熟な思春期の無垢な真実として、
The Smiths や Belle & Sebastian の音楽を、
今でも、これからも、繰り返し、しつこく聴き続けるのと同じように、
私が、ヨボヨボのジジイになっても、繰り返し、しつこく読み返したい本です。






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