~ 失業、うつ病、独身、現実は厳しい。でも、生きよう ~
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私のとっておきの映画を紹介します。

今、日本の、いや、世界の、現役の映画監督の中で、一番好きな監督です。

黒沢清監督は、多作で、しかも、その全てが傑作という、稀有な存在です。

黒沢清監督の映画で、一番好きな作品をひとつ選べ!というのは、拷問(笑)なのですが・・・『回路』です。

私は、この映画は、映画館で3回観て、DVDで30回くらい観ています。
今日も観ました。
見るたびに新しい発見と新しい感動が必ずある稀有な作品です。

このblogを読んでくれているかたにも、是非、観て欲しいです。





黒沢清監督が2001年に製作した映画『回路』。



私は、1997年の『CURE キュア』で初めて黒沢清監督の作品に出会ったのですが、『CURE キュア』は、何と言うか、映画の怪物です!
黒沢清監督の大きな転換点になった作品です。
正直言って、私は、『CURE キュア』よりも前の作品は、あまり好きではありません。
黒沢清監督は、『CURE キュア』を監督として制作していく中で、『CURE キュア』のラストシーンで主人公が怪物になった描写そのままに、黒沢清監督自身も怪物になったのです。

どうか、『CURE キュア』も、観てください。大傑作です。

その後の『ニンゲン合格』も大好き!

『カリスマ』も凄まじい大傑作です。





普通は、
きっちりと企画・製作され、監督がきっちりと全体をコントロールした、
完全な作品が、立派な作品だとは思います。

しかし、『回路』は違う。

『CURE キュア』~『ニンゲン合格』~『カリスマ』~『回路』で、ますます露わになっていく、枠組みの崩壊。

『回路』では、主人公どころか、脚本を兼ねる黒沢清監督ですら(!)、
誰もが理解することもコントロールすることもできない、
異様な世界が暴走していく高みに到達しています。

黒沢清監督自身もインタビューで
「当初、ホラー映画として企画され、自分自身もそのジャンルへの
回帰を目論んだ。
しかし、脚本執筆の過程でどんどんホラー映画の型から外れて行った。
撮影時も、その修正を試みたが、果たせなかった。」
と、自らがこの作品をコントロールできなかった失敗を明言。

しかし、この作品は、「成功」とか「失敗」とかいった主観では
判断できない領域で、かたちつくられていると思います。



『回路』は難解な映画ではありません。

むしろ、単純です。

この世が、
私達だけの論理や理屈や辻褄合わせ等で構成されているわけがない。
という、
単純な現実、を露わにするだけです。



2人の主人公(麻生久美子・加藤晴彦)が持っている、
純粋さ。

2人は、
「人は、人を、助けることができる。」
と心から信じている。

その思い自体が、自分の支えでもある。

その確信だけを頼りに、揺らぐことなく突き進み続ける。

自分の現実が不可解なものに変質してしまっても、
自分を取り巻く世界が壊れ果ててしまっても、
それでも諦めないで、全力で走り抜ける。

最後の友達が、この世から去ってしまっても、
それでも、信じている。

友達であり続けることを。

希望があることを。


これには、私も泣けました。
(映画館で観た時、最後、エンドロールに入るところで、
本当に涙が込み上げてきました。(本当))





最後に、蛇足。

ネタバレになってしまうといけないのですが、私の勝手な連想。

・ この作品の中盤以降、こちら側の人間には全く理解できない、
「別の世界の論理」が存在することの怖さは、
私が中学生の時に読んだ、
ポーランドのSF作家レムの小説『ソラリスの陽の下で』を連想しました。

・ この作品の後半、世界どころか、作品自体が、壊れていく興奮と感動と畏敬の念は、
アメリカのSF作家P.K.ディックの中期以降の作品を連想しました。











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コメント
この記事へのコメント
猫宮さん、初めまして。
自分も46歳彼女いない歴=年齢で
医者には行ってないけど多分鬱
の独身男です。鬱の描写には
いちいちあるあると納得すること
ばかりです。IT関係について書かれたとこは、自分は全く
理解不可能です。猫宮さん
すごいです。自分は仕事は
ありますが、給料は低いです。
200あるかな、という程度。
なんか年収200万以下の
貧困層という言葉があり、
貧ギリギリ!とガックリくる。
親の持ち家に寄生しているので
大丈夫。
黒沢監督のものは回路とキュア
と葉月里緒菜のやつしか
観てませんが、黒沢、ひとが
落ちるの好っきやなー。
回路を観たとき、星新一の
ショートショートにこういう話
あったよなあ、と思った。
あっちの人に呼ばれて喜んで
逝ってしまった人々と、残った
数少ない人々の話。
事故ですが、自分も横の路地から
出て来た車に左後方をぶつけられた
ことがあります。過失割合は
相手60、自分40で、車が
動いていたというだけで悪くなる、
というのは納得いきませんでした。
2010/05/30(日) 09:52 | URL | 哲[ 編集]
哲さん。ありがとうございます。
哲さん、初めまして!
猫宮です。

blogに訪問していただいて、ありがとうございます!
コメントを書いていただいて、ありとうございます!
とっても嬉しいです。



私のblogをじっくり読んでいただいて、ありがとうございます!
きっと、時間がかかったことでしょう。申し訳ないです。
哲さんのご自身のこと、詳しく書いていただいて、ありがとうございます。
哲さんはちゃんと働いていて、私は無職なことを除けば、哲さんと私が似ていて、びっくりしました。

哲さんは、働いているので立派ですよ!
私は、五体満足なのに、働いていないので、自己嫌悪です・・・。



> 鬱の描写にはいちいちあるあると納得することばかりです。

ありがとうございます。
あの苦しさは、うつ病の人にしか分からないですよね。

私からのお願いです。
哲さんも、ぜひ、病院に行ってください。
うつ病は、れっきとした病気です。
薬(抗うつ薬)を飲んで、治療を受けてください。
症状が緩和されて、いつの日か、治ると思います。

私は、哲さんを応援します!
お互い、うつ病に負けずに、生きていきましょう!



> 回路を観たとき、星新一のショートショート

星新一の『ようこそ地球さん』の最終話「殉教」ですね。
私も、この作品を連想しました。
やっぱり、哲さんとは気が合いますね(笑)。


> 事故ですが、自分も横の路地から出て来た車に左後方をぶつけられた

哲さんも災難でしたね。
本当に似ていて、びっくりです。



哲さん
どうか、今後とも、末永く、よろしくお願いいたします。

猫宮しろいち
2010/05/30(日) 10:42 | URL | 猫宮しろいち[ 編集]
>猫宮さん
>哲さんは、働いているので立派ですよ!
いやいや。自分こそクビ切られたら
なんにも技術あるわけでもなし、
再就職とか苦労することでしょう。

>薬(抗うつ薬)を飲んで、治療を受けてください。
2週間ほど前は、この世の者ども全て
死に絶えるがよい、と思ってました。
アキバの無差別殺人犯人のように。
しかしここ最近なぜか調子がいいのです。
躁な状態といってもいい。
多分また鬱がやってくるのでしょう。
短い期間で繰り返す事もありましたし。

たしかに似ていますね。
同じ年代であるということが
大きいのでしょうか。

コンピーのことは難しくてわかんない
こともありますが、これからも見て
いきますので、猫宮さんもどうか
生きて、僕とも繋がっていてください。



2010/05/30(日) 20:47 | URL | 哲[ 編集]
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